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ひと物語 [コミュニケーション]

3年前にネットで知り合った川西先生が所有する北海道の画家が描かれた絵画が、勤務する病院の待合室に飾られていて、先生がいらっしゃるときに観に伺いますと言いながら、多忙な先生の事を思うとなかなか伺えずにおりました。札幌緑愛病院の肝臓内科医師、川西輝明さんは外来や入院患者さんを献身的に診ながら、ウイルス性肝炎原告団の国会への署名提出の街頭署名や、医療講演会、交流会を道内各地や東京、大阪、名古屋、福岡などで精力的に活動されている方です。そのような先生の健康を心配して、オーバー・ワークじゃないですか!と書き込んだところ、「オーバー・ワークにならないように、気をつけないとって思っています。でも、ついついオーバー・ワークの先生をみて、もっとやってるのにって思ってしまうんですよねえ。自分の体を休ませることも大切なことなんですから気持切り替えないと。」

と云う、常に患者さんのことを考えた医療に向き合う、医師の鏡のような人です。川西さんは学生の頃から音楽がお好きで、現在は医療講演会、交流会などでウィルス性肝炎で闘病されている患者さん達を励ます為に、ご自分で作られた曲をギターで弾き語りをされています。私の言葉で書くよりも伝わりやすいと考えて、川西先生のブログ「肝臓病と共に生きるひとたちを応援します」に書かれている文章を拝借させて頂いて掲載します。

「今では音楽療法が、患者さんの治癒力を高めたり、精神的な安定をえられると、学問として認められるようになってきています。何かするにしても、学問的な根拠があると心強い、でも、そんなことが言われる前から知られていたこと。分かってる人は実践してたんですよね。しかし、積極的に広めるためには、こういった研究会や学会みたいな形が大切なんだなあと思います。私は、歌の集いというものを1995年の4月ころから始めました。それまでは、自己満足でフォークギターを弾きながら歌を歌っていたんです。ある日、患者さんから先生の弾き語りが聞いてみたいなと言われました。今まで、家族とか学校の音楽の時間のときとか、たまにしか人に聞かせることはなくて、患者さんに聞いてもらうなんてとっても恥ずかしかったのを覚えています。試しにと弾いて歌ってみたんです。そしたら、これはいい。今度、肝炎友の会の全道集会で弾いてくれって、300人来るからって言われたんです。ひえー、300人ですかあ。って感じでした。でも、患者さんがとっても喜んでくれるから、是非先生やってくださいって。その頃、私は診療所の副所長をしていて、入院のある診療所だったので、お昼休みに入院患者さんを集めて、練習もかねて演奏してたんです。みんなとても喜んでくれて、歌うことでこんなに元気になってくれるなら、頑張ってみようと思ったのがきっかけでした。私が弾き語りを一人でずっとしてたのは、これもまた、ストレス発散というとわかりやすいかもしれません。しかし、高校生の頃自分をとても責める性格で、自分みたいなやつはいなくなればいいと思うような青年だったんです。それを忘れるためにギターを弾いて大きな声で歌っていた。不思議と歌った後、何とかまた頑張ろうって気持になる自分がいて、こうして今があるような感じです。音楽は本当に不思議なものです。どんな形でも人それぞれが気に入った音楽があるなら、それは生きる力につながることがある。元気なときには音楽なんて無くても平気って思うことは多いかもしれませんが、辛い体験をしている人や、体が弱ってきてる人、悩んだりしてる人、なんらかの生命力が落ちていくような状況にある人にとって音楽は驚くような効果をだします。ふっとした辛いときに歌を聴いて涙ぐむなんて経験がある人ならきっと分かると思います。私はよく、自分で歌って、自分で泣いていました。それで、今があるって感じです。医療機関などでは、格好良くコンサートといって、交響楽だとか、クラシックだとかやっていますが、そんな形にこだわることなく、患者さんと歌う、集う。それも、主治医だったりすると効果は何倍にもなってるって言われたりもします。その人のこころのそばにある音楽こそ、生きる力につながる。理屈ではない、気持を伝えていくのが歌のすごいところです。」

という、お人柄が好きですねぇ。なかなかおりませんよ!こういうドクターは!

先日、NHK総合テレビの"ゆうどきネットワーク"「北スペシャル」で、川西先生の日常を取材したドキュメンタリー番組を放送していて、その番組の動画がYou Tubeに投稿されていますのでご紹介します。


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マイン

お話してる姿も、すごく誠実なお医者さんって感じがうかがえます。
お医者さんは仕事がすごく忙しいらしですね。どこからそんなエネルギーが出て来るのか不思議です^^;

by マイン (2010-07-04 07:07) 

の

ハイ!来ましたァ、、、読みましたァ~(^^)v、、♫

by (2010-07-04 12:08) 

tateichi_m

マインさん、
純粋な人間性に人が集りますよね。患者さんからの人気が絶大なのもわかります。
動画を観て分かるように、川西先生はガンダムの大ファンでもあります。(笑い)
↓お台場の18メートルの巨大ガンダムの映像がありますよ。
http://blog.goo.ne.jp/ryokuai_2007/e/b3dfedd6140e2423dd87967a66396105

専門が違いますが北海道にもう一人、老人医療に奔走する素晴らしいドクターがいます。
by tateichi_m (2010-07-04 22:54) 

tateichi_m

の さん、
お忙しいなか、ありがとうございます。
の さんが作られているギターの曲も、好きです。
by tateichi_m (2010-07-04 22:54) 

ナツパパ

こうやってすばらしい活動をされている方には、何らかの援助が大切、と思います。
でも、そうなると、ホールでクラシック...になってしまうんでしょうねえ。
難しい所ですねえ。
by ナツパパ (2010-07-06 09:23) 

miopapa

最近は、医師と患者の間にPCが・・・
患者とのコミュニケーションにかける時間より
PCと向かい合う時間の方が長い医師が多い中
こういう先生と出会えることは希ですし
それだけに、こういう存在が増えることを望まずには・・・

by miopapa (2010-07-06 21:38) 

Kawanishi

トラックバックありがとうございました。
以前コメントくれた方だったんですねえ。褒めて頂けてとてもありがたいです。
私がこう言うことをすることになったのは、本当に尊敬するたくさんの先輩のおかげなんです。紹介される機会に恵まれたことほんとうにありがたいです。

そして、いい先生って、本当にたくさんいますから。是非そう言う先生に巡り会えるように、増えてくれるように思う次第です。
これからもよろしくお願いいたします。
by Kawanishi (2010-07-06 22:37) 

tateichi_m

miopapaさん、
そうですね。私の家系や友人に医師が多いので、
診察を受けて不快な思いをした友人知人から、
私に不満の相談を持ちかけられることがありますが、
医師と患者間に信頼関係がなければ、患者側は不安になりますね。
医師不足もあって、事務的な診療をする医師が多いですが、
東京の大学病院の私の主治医は教授の頃から、
患者さん達との会話が漫才のような気さくな先生です。
北海道も東京も、人として医師として尊敬する方がたくさんおります。
by tateichi_m (2010-07-07 00:39) 

tateichi_m

川西先生、コメントをありがとうございます。
転載をするにあたり、先生のブログにお知らせしなければと思いながらも、
何かと忙しくてたいへん失礼致しました。

先生の多忙な毎日のなかでの署名活動などに、陰ながら私も応援させて頂きたいと思います。
先生の透きとおったお声で歌われる、自作の曲も心に沁みます。
by tateichi_m (2010-07-07 00:49) 

tateichi_m

ナツパパさん、
レスが前後して失礼しました。
B型、C型ウイルス性肝炎に苦しむ方々の事を、国は真剣に取り組むべきなんですが、
かつて厚労大臣だった頃には心を注いだはずの新総理も、
現在はぬらりくらりとしている事に怒りを覚えます。
by tateichi_m (2010-07-07 01:20) 

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