SSブログ

つばめのように [人生観]

8年前の7月の今頃でした、都内のホテルで行うイベント会場で設営のビジュアルの最終チェックをしていたところ、傍らの台車に立てて積まれていた硝子のショーケースの、蓋の部分が数十枚倒れてきたものを咄嗟的に支えてしまい、支えきれずに身を引いたのですが転倒して左足首と踝が粉砕骨折し、重みで踵が脱臼して足首から飛び出すという大怪我をしました。救急車がよばれて近くの病院を回りましたが、大怪我の為受け入れ態勢が出来ていないという事で、やっと搬送されたのが整形外科学会で著名な医師がいる病院でした。

ドクターからは倒れてきたときにどうして逃げなかったのですか?。患部の位置が少しずれていたら、膝がつぶれていたら、一生松葉杖か車椅子の生活になっていたでしょうと云われ。腹部、胸部に倒れていたら死に至っていたかも知れませんと云われました。咄嗟的と言えども無謀でした。3ヶ月間の入院で2回手術をして、現在も取って有りますが抜丁手術後に渡されたチタン製の金具の数も多くて、こんなに使っていたのかと驚きました。完治するまでには2年かかりましたが、九死に一生を得たのだと思っています。

人生には予期せぬ障害が起こる事があります。事故のときも目の前に大きな壁を感じて、お先真っ暗な状態でしたが、入院中に思ったのは平凡でも健康な生活を送れる事への感謝と、それまでは親しくしていなかった人達が、猛暑の中を頻繁に見舞いに来てくれて、励ましてくださった事への感謝、人の痛みや心の機微を感じ取る、心の大切さを改めて思ったのです。若い頃は唯我独尊的でしたが、私の人生観、感性が180度変わったように思います。

現在は足首の前後の可動域に障害が残ったため、正座ができなくて、正座をしても5分がやっとなので、正座をしなければならない場所へは遠慮しています。療養中に正座のリハビリを兼ねて、20歳の頃に触れた事があった茶道でも始めようかと考えていたところ、松葉杖で歩いていた頃の正月に、偶然某デパートで茶道具一式が半額になっていたのです。これは私に買ってもらうために半額になっているのではないか?と、勝手に思い込んで即購入したのでした。

その後、日本の伝統である茶の湯を楽しんでいますが、私は抹茶に干菓子だけではなく、季節に応じた和菓子を作っている、京都の老舗和菓子店の「末富」さんを利用しています。納入は日本橋高島屋店に京都から週2回、社長自ら新幹線で運ぶというこだわりの店です。茶道も本格的にやると、茶器、掛け軸、花器などを揃えなければならないのですが、それらの収集も楽しみにつながります。

昨年正月に「初釜」というタイトルで、別サイトのブログに茶道の話を書いています。宜しければご笑覧ください。同サイトで知り合った茶道家、「北見宗幸」さんのオフィシャル・ブログ「一服のもてなし」もリンクを貼りました。

”越冬ツバメ”、ツバメのように強く羽ばたいて、人生の試練を乗り越えたいものです。

つばめのように.jpg


nice!(4)  コメント(5)  トラックバック(2) 
共通テーマ:健康

nice! 4

コメント 5

ナツパパ

「無事是貴人」という言葉、以前はなんとなく軽く見ていました。
そうではない、大切な言葉だ、と思ったのは50を超してからでしょうか。
仕事でいろいろあったり、病気をしたり、と、そういう経験があって
この言葉の意味を受け取ることが出来るのかなあ、と思います。

「末富」さんのお菓子は美味しいですね。
いつも手に入るお菓子ではないだけに、頂くときは真剣になります。
by ナツパパ (2009-07-18 22:07) 

tateichi

ナツパパさん、今晩は。
涼しい北国ですが、特にこの数日は気温が低く肌寒いです。
東京へ帰りたいモードが強くなっています。(笑い)

私は40の厄年から病、仕事などで悩みましたが、
47歳の事故を経験して、やっと世の中が見えたようです。

「末富」さんのお菓子は、確か火、金の午前中に買いに行きました。
日本橋高島屋には思い入れがあるので、高島屋が無い北海道は、
クリープを入れない珈琲のようです。(爆)
by tateichi (2009-07-18 23:31) 

ハゲアメリカーノ

私の転機も13年前の骨折です。
スケートで転倒し、右足を完全に骨折して手術・・・・一年間金属プレートを入れてました。仕事2か月以上休み、ちょうど昇格の微妙な時期だっただけに、文字同り挫折感、焦燥感の入院生活でした。
でも、館一さんの言われる通り、人の優しさや機微にふれたり人生を振り返ることができ、仕事人間から、視野を広げる事ができた経験でした。
同じような人生観、こんど飲みながら語りあいたいですね。お茶でなく・・・お酒!!
茶道!!良いですね。病おこりて道心おこりそうろう。

by ハゲアメリカーノ (2009-07-19 08:05) 

tateichi

アメリカーノさん、今晩は。
私は独立していましたので、仕事関係は自分の裁量でなんとかなりましたが、大企業の戦士の立場で、2ヶ月以上一線から離れる事はお辛いですね。

私はやんちゃな患者で、入院中に車椅子で喫煙所へ行き、病棟内の人達と仲良くなりました。二度目の手術の朝には私の病室まで来てくれて、”頑張って”と激励を受けまして、退院後も連絡を取り合う友人になっています。ヘビー・スモーカーの主治医は渓流釣りが趣味で、奥多摩へご一緒した事がありました。怪我を通して、人の枠を超えて縁した貴重な経験でもありました。
是非、一献傾けながら人間哲学をお話したいですね。
by tateichi (2009-07-19 17:27) 

tateichi

miopapaさん、今晩は。
ご訪問と、niceをありがとうございます。
ブログを拝見させて頂いておりますが、
土地柄、気温がかなり高くなることが多いようですね。
多治見に知人がおります。
by tateichi (2009-07-19 17:33) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 2

涙のあとに微笑をYesterday's Yesterda.. ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。